GitをインストールしてGit Bashを使おう
更新日:2026-08-02
前の記事では、WSL上のプロジェクトをVS Codeで開きました。
ここからは、ファイルの変更履歴を管理するためにGitを準備します。
この記事では、次の内容を扱います。
- Gitとは何か
- Gitを使うと何ができるのか
- GitとGitHubの違い
- WindowsへのGitのインストール
- Git Bashでの動作確認
次の記事では、WSL上の~/sandboxでGitの基本操作を練習します。
Gitとは
Gitは、ファイルの変更履歴を記録・管理するためのソフトウェアです。
Webサイトを制作していると、HTMLやCSSを何度も修正します。
たとえば、見出しを次のように変更したとします。
変更前:
<h1>会社案内</h1>
変更後:
<h1>私たちについて</h1>
通常のファイル保存では、変更後の内容だけが残ります。
Gitを使うと、次のような情報を履歴として記録できます。
- どのファイルを変更したか
- どの行を追加・削除したか
- いつ変更したか
- なぜ変更したか
- 誰が変更したか
Gitでは、変更前と変更後の差を次のように確認できます。
- <h1>会社案内</h1>
+ <h1>私たちについて</h1>
-は削除された行、+は追加された行を表します。
Gitを使わない場合の問題
Gitを使わずに変更前の状態を残そうとすると、ファイルをコピーして管理することがあります。
index.html
index_修正前.html
index_修正後.html
index_修正後2.html
index_最終版.html
index_【確定版】最終版2026.html
この方法では、どれが最新なのか分かりにくくなります。
また、HTML、CSS、画像など複数のファイルを変更した場合、それぞれのファイルをコピーしなければなりません。
Gitを使えば、ファイル名を変えずに変更履歴を残せます。
index.html
style.css
ファイルを何個も複製するのではなく、Gitが過去の状態を管理します。
Gitでできること
変更内容を確認できる
ファイルのどの部分を変更したのか確認できます。
- <p>営業時間は9時からです。</p>
+ <p>営業時間は10時からです。</p>
変更箇所が明確になるため、意図しない修正にも気付きやすくなります。
変更理由を記録できる
Gitでは、変更を履歴へ残すときに説明を付けます。
営業時間の表記を修正
あとから見ても、何のために変更したのか判断できます。
過去の状態を確認できる
間違えてコードを削除した場合でも、過去の履歴から以前の内容を確認できます。
ただし、ファイルを保存しただけではGitの履歴にはなりません。
Gitへ変更を記録する操作が必要です。
複数の変更をひとまとめにできる
たとえば、次のファイルを変更したとします。
index.html
style.css
logo.png
すべてがヘッダーの修正に関係している場合は、ひとまとまりの履歴として記録できます。
ヘッダーのデザインを変更
このように変更を履歴へ記録することを、Gitではコミットと呼びます。
複数人で作業しやすくなる
GitHubなどのサービスと組み合わせると、複数人で変更内容を共有できます。
誰がどの部分を変更したのか確認したり、変更内容を確認してから反映したりできます。
GitとGitHubの違い
GitとGitHubは同じものではありません。
| 名前 | 役割 |
|---|---|
| Git | PC内でファイルの変更履歴を管理するソフトウェア |
| GitHub | Gitで管理したプロジェクトをインターネット上で保存・共有するサービス |
Gitは、自分のPCへインストールして使います。
GitHubは、インターネット上のサービスです。
関係を簡単に表すと、次のようになります。
自分のPC
└─ Gitで変更履歴を管理する
↓ 必要に応じて送信する
GitHub
└─ プロジェクトを保存・共有する
GitHubへ登録しなくても、Gitだけで変更履歴を管理できます。
まずはGitを使って、自分のPC内に履歴を残す方法を学びます。
GitHubでの共有は、そのあとに学びます。
リポジトリとは
Gitで変更履歴を管理する対象を、リポジトリと呼びます。
たとえば、次のようなプロジェクトがあるとします。
sandbox/
├── index.html
└── style.css
このsandboxフォルダーをGitで管理すると、Gitリポジトリになります。
基本的には、プロジェクトごとに1つのリポジトリを作成します。
この記事ではまだリポジトリを作成しません。
次の記事で、WSL上の~/sandboxをGitリポジトリにします。
Git for Windowsをダウンロードする
Windowsのブラウザで、Git公式のWindows向けインストールページを開きます。
通常のWindows 11 PCでは、64-bit版をダウンロードします。
学校や職場から使用するバージョンを指定されている場合は、その指示を優先してください。
ダウンロードしたインストーラーを起動します。
ユーザーアカウント制御が表示された場合は、発行元とファイル名を確認してから許可します。
Gitをインストールする
Gitのインストーラーには、複数の設定画面があります。
特別な指定がなければ、基本的には既定値のままNextを押して進めます。
初心者の段階では、すべての設定項目を理解して変更する必要はありません。
次の点だけ確認してください。
- Git Bashを利用できる構成になっている
- GitをコマンドラインやVS Codeから利用できる
- 学校や職場から指定された設定がある場合は、それを優先する
Gitで使用するテキストエディターを選択する画面が表示される場合があります。
このシリーズではVS Codeを使用しますが、ここでは既定値のまま進めても問題ありません。設定はあとから変更できます。
最後にInstallを押します。
インストールが完了したら、インストーラーを閉じます。
Git Bashとは
Git for Windowsをインストールすると、Git Bashも利用できるようになります。
Git Bashは、Windows上でGitのコマンドを入力するために利用できるターミナルです。
Windowsのスタートメニューで「Git Bash」と検索して起動します。
Git BashはWSLのUbuntuとは別の環境です。
この記事ではGitのインストール確認にGit Bashを使いますが、次の記事で~/sandboxを操作するときは、WSLのUbuntuターミナルを使用します。
Gitのインストールを確認する
Git Bashを起動し、次のコマンドを入力します。
git --version
次のように、git versionに続いてバージョン番号が表示されれば、インストールは完了しています。
git version 2.x.x.windows.x
バージョン番号は、インストールした時期によって異なります。
重要なのは、特定の番号と一致することではなく、バージョン情報が表示されることです。
コマンドが見つからないというエラーが表示された場合は、次の点を確認します。
- Git for Windowsのインストールが完了しているか
- Git Bashを起動しているか
- インストール後にGit Bashを開き直したか
- Windowsを再起動すると改善するか
VS CodeでGit Bashを使う
Windows側で開いたVS Codeでも、Git Bashをターミナルとして使用できます。
- メニューから「ターミナル」を開く
- 「新しいターミナル」を選ぶ
- ターミナル右上の下向き矢印を押す
- 「既定のプロファイルの選択」を選ぶ
- 「Git Bash」を選ぶ
- 既存のターミナルを閉じる
- 新しいターミナルを開く
新しいターミナルで、次のコマンドを実行します。
git --version
Gitのバージョンが表示されれば、VS CodeからもGitを利用できます。
Git Bashが一覧に表示されない場合は、VS Codeをいったん終了して起動し直してください。
Windows側とWSL側のGit
WindowsへGit for Windowsをインストールしても、WSLのUbuntu側へ自動的にGitがインストールされるわけではありません。
Windows側のGitとUbuntu側のGitは別のソフトウェアです。
Windows
└─ Git for Windows
WSL
└─ Ubuntu版のGit
次の記事では、WSL上の~/sandboxを操作します。
そのため、WSL接続したVS CodeのUbuntuターミナルで、次のコマンドを実行してGitが使えることを確認します。
git --version
Gitが見つからない場合は、Ubuntu側へGitをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install git
Linuxコマンドやsudo、aptの詳しい使い方は、別の記事で解説します。
まとめ
- Gitは、ファイルの変更履歴を記録・管理するソフトウェア
- どのファイルのどの部分を変更したのか確認できる
- 変更理由を記録し、過去の状態を確認できる
- 変更を履歴へ記録することをコミットと呼ぶ
- Gitで管理するプロジェクトをリポジトリと呼ぶ
- GitHubは、Gitで管理したプロジェクトを保存・共有するWebサービス
- GitはGitHubへ登録しなくても使用できる
- Git for WindowsをインストールするとGit Bashも利用できる
- Windows側のGitとWSLのUbuntu側のGitは別のもの
~/sandboxのGit操作はWSLのUbuntuターミナルで行う
次の記事では、WSL上の~/sandboxをGitリポジトリにします。
ファイルを変更して履歴へ記録するまでの流れを、次のコマンドを使いながら確認します。
git init
git status
git add
git commit
git log